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大雨による土砂災害や家屋の浸水、大地震など、日本は自然災害と常に隣り合わせの国です。私たち日本に住む者は、災害に遭遇することを前提に日頃から準備をしておく必要があります。
大規模な自然災害が起こるとライフラインが機能しなくなってしまうため、被災地に暮らす一部の人たちは避難所での生活を余儀なくされることがあります。自宅で生活を送れたとしても、ライフラインが完全に復旧するまでの間、苦しい思いをすることになるでしょう。
そんな避難生活で大きな問題になるのが「ごみ」です。被災地では災害ごみや災害廃棄物などと呼ばれるごみが大量に発生します。国はこのような災害時に出るごみの処分について指針を出しており、各自治体はそれに基づき、災害発生時のごみの処理計画についてまとめています。
この記事では大分市における災害ごみや災害廃棄物の処分方法を紹介しています。市民の皆様は、もしものときのために、ぜひ読んでみてください
災害で発生するごみの種類
災害で発生するごみは、災害そのものに起因する「災害廃棄物」と、避難生活で発生する「生活ごみ」に大きく分けられます。
災害廃棄物
災害廃棄物は、災害により発生した土砂や建物のかけらなどのがれき、家屋の中で破壊された家具や家電製品などの家財ごみのことです。大規模な自然災害が発生すると、大量の災害廃棄物が発生し、人命救助などのオペレーションの障壁となります。早期に復旧するためには、迅速に災害廃棄物を片付ける必要があります。
生活ごみ
避難生活で発生する生活ごみ。避難生活では普段も家庭から排出されるごみや避難所ごみのほかに「し尿」が排出されます。
大分市における災害廃棄物や生活ごみの処分方法
大分市は、国の指針に基づき災害発生時のごみの処分方法について、「大分市災害廃棄物処理計画」にまとめています。
災害時のことなので、ごみの処分方法は被災状況に合わせて臨機応変に変更される見込みですが、基本となる処分方法を知っておくことは大切なことです。
がれきなどの災害廃棄物は仮設ごみ置場へ
がれきや家財などの災害に直接起因するごみは、仮設のごみ置場が設置されるので、そちらに移動させることになります。災害廃棄物が道路にそのまま放置されると、救助活動や救援物資の運搬が遅々として進みません。仮設のごみ置場は、原則的に災害発生前から公園や空き地だったところに、小学校区を基準に設置されるようです。
生活ごみはごみステーションへ
避難生活中も、生活ごみは原則的にいつものごみステーションに出します。収集日に関しても同様ですが、こればかりは被災状況によるところが大きいので、被災した場合は情報収集に努める必要があるでしょう。被災時は大量のごみが排出される可能性があるため、ごみを出すこと自体やごみ出し量が制限されることも考えられます。
避難所ごみは設置されるステーションへ
避難所ごみは、通常の生活ごみよりも大量に出る可能性が高いため、「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」だけに簡素化される可能性があります。状況に応じて、避難所に分別区分ごとにごみステーションが設置されます。
し尿
し尿に関しては、家庭から排出される使用済みの非常用トイレは「燃やせるごみ」として処分することが想定されています。
避難所や各地区には仮設トイレが設置される予定で、このような場所ではし尿収集車による収集が想定されています。
大分市における災害時のごみ処理・想定される流れ
大分市は、災害発生から3日間を初動期と位置づけ、災害廃棄物や生活ごみの処分方法について、この期間内のできるかぎり早い段階で市民に周知するとしています。ここからは、大分市における災害時のごみの処理について、想定される流れをご紹介します。
災害ごみ
災害に起因して発生した家具などの災害ごみは、がれきとは別に住民用の仮置場が設置される予定です。がれきなど、建物の一部やアスベストが含まれる建材を持ち込むことはできません。また、テレビや冷蔵庫、エアコン、洗濯機といった家電4品目も持ち込めません。排出方法については、市はできるかぎり早い段階で周知するとしています。
生活ごみ
生活ごみについては、すでにご紹介したとおり、市はいつもどおりの収集を想定しています。
避難所ごみ
避難所ごみもご紹介したとおりです。初期は分別区分を簡素化して収集する予定ですが、発災後2週間を目安に通常の分別区分で回収することを目指すようです。
し尿処理
仮設トイレは、市が地域ごとのニーズを把握したあとで迅速に設置を進めることになっています。仮設トイレは100人のニーズに対し1基の割合で設置され、簡易トイレもニーズ2人に対し1個の割合で配布される予定です。そのほかに汚物処理袋やトイレットペーパーも配布されます。なお、仮設トイレからのし尿の収集は2日に1回の割合で行われるようです。
大分市で災害が発生したときに備え、想定しておくこと
大分市を大規模な自然災害が襲ったときには、大量の災害廃棄物や生活ごみが排出されることが予想されています。大分市はそれを見越して災害廃棄物や一般家庭向けの家財ごみの仮置場を設置する予定ですが、それでもキャパシティをオーバーしてしまうかもしれません。通常ごみもステーションからあふれるほどにごみが排出されると、市の収集作業も滞る可能性があります。地域の住民が協力して、生活に影響しないごみは後回しにするなどしてごみの減量に努めましょう。
情報収集を怠らないことも重要です。
大規模な自然災害の発生時は、通信インフラもダメージを受ける可能性がありますが、少なくともラジオは機能するはずです。災害時はスマホだけに頼らず、手巻きで充電可能、または電池だけで使えるラジオを用意しておくと安心です。
普段から災害ごみを出さない努力を
繰り返しになりますが、大規模な自然災害が発生すると信じられないほど多くのごみが出ます。しかし、このなかにはごみになることを避けられたごみがあることも事実です。実は、普段から災害に備えることで、ごみの減量につなげられるのです。災害に備えて私たちにできることをまとめてみました。
家具などに転倒対策を施す
大雨による洪水や土砂災害で家財が浸水してしまった場合はどうしようもありませんが、地震なら、転倒対策をしておけば、災害ごみの減量につなげられるはずです。突っ張り棒や免震ゴムなど、数々の転倒対策グッズが市販されています。通販でもかんたんに入手できるので、ぜひ対策してください。
不要な物を処分して身軽に
長年、使っていないのに捨てられない物。捨てようと思っているのになぜか捨てていない物。家には意外に不要な物があるものです。災害に襲われると、このような元々不要な物まで災害ごみになってしまい、復興の妨げになります。不要な物を処分することも立派な災害対策です。
まとめ
大分市における大規模な自然災害発生時の災害廃棄物や災害ごみ、生活ごみの処分方法について紹介しました。大分市では、21世紀に入ってからも人的被害をともなう自然災害が発生しています。九州では毎年のように大雨による土砂災害が発生していますし、日向灘を震源とする津波をともなう大地震の発生も危惧されています。普段から災害に備えて防災グッズをそろえておくとともに、災害ごみを出さないために努力することが大切です。大分えびすサポートでは大分県にお住まいの皆様をサポートさせていただいておりますのでお困り事がございましたらお気軽にご相談くださいませ。
